最近の夢では、飲酒運転で事故る夢とか「アイアムアヒーロー」よろしく身の回りのみんながゾンビ化していく夢とかインパクトありましたね。だいたいクライマックスシーンで「あ、これ夢だ」って気づくけど中々スリリングな夜を過ごしている。

 

大抵の日本人がこなしている5連勤を終えて疲れ果ててはいたが休日用のセロトニンを沸かして、映画「サーミの血」を見る。

 

https://youtu.be/9R5AasNNRUs

 

フィンランドスウェーデン北部の先住民族サーミ人の女の子がいろんな迫害を受けたり都会的な青年とのふれあいで恋に落ちたりして、サーミとしての生活、家族や自分の名前すらも捨ててスウェーデン人として暮らすことを目指していく話。で大体あってるはず 。

 

自分の育った文化を棄てるという意味では、「神の揺らぎ」と同じぐらい共感性羞恥をすごく掻き立てられた。

「ああもう展開的にこうなるの分かりすぎて見てらんない!」ってやつ。

地元や伝統、家族が信仰する宗教など、いくら憎んで遠ざけても向き合わなければいけない場面がそこかしこにあって、つらみマシマシになるよね。

 

主人公はサーミの血に後ろめたさを持った偏屈婆さんになってしまうんだけど、それでも身一つで都市に飛び出て教師になるって夢をかなえたりスウェーデン人と結婚して孫までいて、ってところを想像するとすげえ頑張ったんだなあって褒めてあげたいよ俺は………その辺まで具体的に描くのは映画の尺的にも野暮なことかもしれないけど、仮初めでもスウェーデン人になった彼女の暮らしぶりも観たかったな。

 

最後に亡くなってしまった生き別れた妹に対して赦しを乞うシーンがある。亡くなってしまったから謝るにももう遅いってことに彼女は気づいており、最終的に自分の育った故郷を目指すことになるんだけど。

民族とか文化云々というより、家族の絆を断ち切ることが、たぶん真っ当な愛情を注ぎ合いながら育った人間なら一番精神的にきつかったり、引きずったりすることなんじゃなかろうか。

 

自分の問題と置き換えて物事を考えがちな私にはとても堪える作品だった。でもそんな作品がもっと見たい。共感性羞恥に向き合いたい。